舎流楼灯(しゃるろっと)さんのコラム。
「そばにあるもの」から、さらに世界を広げて
どこへ、いく、のか?


13 カラダとココロ3

そんなしゃるの宝物は

金縁の飾り模様のついた
繊細でリアルなタッチの挿絵が入った
「人魚姫」のハードカバーだった。

人魚姫の話は何度も何度も読んだ。
その美しい挿絵が好きだった。

でも、
そのお話のことはもっと好きだった。

痛くて悲しいけれど、
人魚姫を読んでいる時間は
一人ぼっちでないような気がしたから。