裁判員制度について、語る。編

ヤモリさんは僕の友人で、
法律家を目指しておられます。
裁判員制度について理解を深めるとすれば、
この人をおいて他にいないでしょう!

第1回:裁判員制度、導入の理由。

矢透 今日は、来年から施行される
「裁判員制度」について
いろいろ話したいと思うんですが。


ヤモリ そっちの引っかかってることは
究極的には何なの?
・・・「怖い」
っていうことなんだよね?


矢透 そうそう。結局怖いんだよ。
いきなりその、人の行く末を決める場に
呼ばれるということがいつの間に決まって、
そこから逃げられない、という強制力の
恐ろしさというのがある。

あと、そもそもの必然性というか
どうしてこのタイミングで導入されることに
なったのか。
で、運用していくことになったら、
うまい具合に運用していけるのかな?
というのが今日の聞きたいところで

まず第一は、
どうして今回こういう制度が導入されたのか
というのが疑問の一つなんだけども。


ヤモリ まず今回こういうことになったのは、
ロースクール制度ができたのもそうだけど
司法制度改革といって、
司法という分野に対して
もっと国民の利用を促す、距離を縮める
ということが根底にあるんだよ。

個人のライフスタイルが多様化してる
今みたいな時代では個人は個人で、
自分の身を守らなくちゃいけない。

そういうときに使えるのは裁判所で、
個人を守ってくれるのは司法制度なんだ、
っていう方向に舵をきっていく
というのが司法制度改革のそもそもの考え方。

で、そこで問題になったのが裁判所で。
今のところ国民と司法を結ぶものは、
裁判の傍聴と、10年にいっぺんの
最高裁判事の罷免の投票だけしかなくて、
しかも両方とも形骸化してる。


矢透 裁判員制度を導入することで、
本来の目的を達成できるようになるのかな?
「もっと司法を使おう」
っていうふうに。


次回、「法律上の建前は」につづきます!