アイスランドへ旅した岩坪文生(ふみお)さんの
コラムを連載しています。

アイスランド グルメと仮死の旅 第7回

アイスランドの冬の夜について少し述べておこう。

アイスランドは北極圏に近い国で、夏は白夜。
といえば、もちろん冬はその逆。

日照時間が短く、最短で4時間になる時期もある。
つまり朝11時に日が昇り、午後3時には沈むのだ。
当然の帰結として、アイスランド人はよくお酒を飲む。

「クレイジー」
という形容詞がアイスランド人につけられることがある。

アイスランド人の見た目の印象は、静かで、内気で、
思慮深いイメージで、私にはこの形容詞の意味があまり
理解できないまま旅立った。

しかし、ここに来てみて、
少しその言葉の指す特徴のようなものが分かったような
気がしてきた。

まず、原因はこの世のものとは思えない自然環境だ。
不毛な土地、溶岩地帯の黒々とした岩と、
クレーターのように大きく窪んだ景観は
さながら月の表面のようだ。

壮大な氷河と火山。そして厳しく、長い冬と夜。




性格は豪胆で根気強く、
あくまでポジティブな考え方なのだが、
どこか浮き足立ち、なにかしら極端なところが
あるような気がするのだ。うまく言えないが。

(次回、最終回。ウェストフィヨルドへの旅)